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2009年9月24日

『無限階段の登り方』裏話

おはようございます。さぬいゆうです。
さて、今更感たっぷりですが

『無限階段の登り方』の制作話です。


いや~、これもう一年以上も前の話なんですよね。
これは2008年5月のコミティア84で出した新刊同人誌になります。ネームを書いたのは2008年3月でした。

この同人誌を読むときBGMを「赤い胃の頭ブルース」にして頂けるとありがたいです。

というのも、2008年1月からこの曲を主題歌にしているテレビドラマ「栞と紙魚子の怪奇事件簿」を、伊丹氏と見ているとき「ゆるーい怪奇物やりたいね~」という話になって、それでは!っと意気込んで書いた記憶があります。

実はここから制作体系が少し変わってセリフの写植も私がやっています。

完成したネームの不透明度を20%にして、セリフの写植をして伊丹氏に渡すといった段取りです。
制作体系は毎回試行錯誤して変えているのですが、この同人誌の制作で段取りの方向性が決まってきてます。

この『無限階段の登り方』21ページ最後のコマの少女が持っている本(世界怪奇百科譚)、あれの文章は当初、文章は書かずに『ーーーーー』みたいな感じで誤魔化す予定でしたが、伊丹氏が「それはダメだ。文章考えろ」といったきたので、そこがちょっと苦労しました。
漫画では吹き出しで隠れてたりしているのでこの機会に全文掲載。
無限階段とは
無限に連なる段からなる段状の物。 上に昇ろうが下に降ろうがそこに頂上はなくひたすら段が続く。 無限階段にはいくつか種類が確認されている。 なお、階段の概念、昇る降る以外のことをすれば無限階段から脱出することができる。しかし概念の外というのは、その無限階段の種類によって変わってくるも ので、また派生条件によっても多少の差異を生じることもある。

メビウス型
この無限階段は数学者アウグストが最初に発見した。帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の無限階段である。 メビウスの環階段とも言う。 ひねるという性質上、ユークリッド空間においては、ひねる方向(時計回りと反時計回り)により、右手系と左手系の2種が存在することになる。

ペンローズ型
数学者ペンローズの考案による回り階段の不可能形態。無限に上昇あるいは下降を繰り返す。 別名、無限回段とも言う。 昇っていたと思ったら降っていたり、また、降っていたと思ったら昇っていたりと、昇降無意の階段である。

ただし1/10000の確率で出現するペンローズ型は無限階段の不可能形態であるため、その脱出は困難を極める。その理由は昇っていたと思ったら降っていたり、降っていたと思ったら昇っていたりとする、いわゆる昇降無意にある。そこには階段の概念はすでに無く、段が連なっているだけの回段があるだけである。

この階段は数学者ペンローズが最初に提唱した。当初理論上の空察かと思われたが、1983年にその存在が確認された。
おかげさまでこの本は初出から一年と3ヶ月たったコミックマーケット76にて完売することができました。
毎回買ってくれる方には感謝のしっぱなしです。ありがとうございます。
次回は折りを見て『紅茶が香る一つの閑話』を載せたいと思います。